皆さんこんにちは、こんばんわ。作家兼名古屋めし料理家のSwind(スインド)です。
早くも第2回となりました、名古屋めし化計画。今回は関西ブロックから大阪の味を名古屋めし化にチャレンジします。
第1回はこちら↓
編集長 えっと、大阪の味というとたこ焼きとかお好み焼きとか?
そちらも考えたんですが、いまいちインパクトに欠けそうなんですよね。
ほら、台湾たこ焼きとか台湾お好み焼きって絶対美味しいに決まってるじゃないですか。
編集長 まぁ、たしかにハズレはなさそうですね。(大阪の人は怒るかもしれないけど)
なので今回はもう少しディープな大阪の味をチョイス。
「肉吸い」を名古屋めし化します。
肉吸いは簡単に言うと「肉うどんのうどん抜き」のこと。
ちょっと甘めの牛肉と優しい出汁の味わいのハーモニーがとても美味しい一品。呑んだ後の〆として食べるのが格別なんですよね。大阪芸人の間では「これを食べると売れる!」などといわれる、縁起グルメだと聞いたこともあります。
それでは早速、「肉吸い」の名古屋めし化、いってみましょう!
編集長 いってみましょう!(勝手に名古屋めし化したら、怒られないかな!?)
土鍋登場!名古屋めし化した肉吸いは美味! 具材は牛肉にネギにお出汁とシンプル、その他調味料がもろもろというところです。
では最初はお出汁の用意から。今回は「濃いだしがとれる」と書いてある、こちらのだしパックを使います。
編集長 あれ? これって何か違うんですか?
よくぞ聞いてくれました。実はこちら、サバ節とムロアジ節をメインとした、だしパックなのです。
一般的には節といえばかつお節ですが、名古屋ではこのサバ節とムロアジ節が昔からの馴染みの味。味噌煮込みうどんやきしめんなど、名古屋めしには欠かせない出汁としてよく使われています。
編集長 だしにも違いがあるのですね。
サバ節もムロアジ節も旨味が濃いのが特徴ですね。豆味噌やたまり醤油といったボディの強い名古屋めし調味料に相性がいい出汁なのです。
これを水を張った鍋に入れ、沸騰してから3分ほど煮出せば出汁ができあがります。
この出汁の中で牛肉を炊いていくのですが、その前に一工夫。
アク取りと臭み抜きをかねて別のお鍋でざっと湯がいておきます。
下ゆでした牛肉は出汁に入れ、みりんを加えて5分ほど弱火でじっくり炊いていきます。
編集長 ここでまさかの土鍋ですか!?
ええ。よく考えたらこれって「味噌煮込みうどんのうどん抜き」だなと思いまして(笑)
ということで、牛肉に火が入ったところで味噌も溶き入れます。もちろん豆味噌。
豆味噌には甘みがないので先に入れたみりんでバランスをとる形ですね 。
で、最後にネギを散らして一煮立ちすれば完成。卵かけごはんと一緒に食べるのが 、肉吸いの王道とのことです。
それでは早速実食です(もぐもぐ)。
……これは良いですね。しみじみと美味しいです。
お出汁の旨味と豆味噌の旨味、そして肉の旨味が互いに引き立て合っています。
呑んだ後に食べたくなる気持ち、ものすごくよく分かります。
編集長 えっと、それはもともとの肉吸いの方で……。
まぁまぁ細かいことは気になさらず。
そして卵かけごはんもいいですね。交互に食べると美味しさがひとしおです 。
編集長 あれ?卵かけご飯にもまさか、味噌ですか?
ええ、名古屋めし化ですから(笑) 香ばしく焼いた味噌を少量添えました。
これがまた、すごく美味しいんですよね。
編集長 なるほど。しかし、前回も聞いたんですが、これって大阪の人たちを敵に回したりとか……。
うーん、たぶん大丈夫だと思います。まぁ、普段はとても温厚な大阪の友人に聞いてみたら「話は署で聞かせて貰おうか」と真顔で言われましたが。
編集長 う、うわー。それってかなり怒られてませんか?
危なくなったら編集長さんに任せて逃げます。
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さて、次回は東の方に戻って関東甲信越エリアに乗り込みたいと思います。次の更新も楽しみにお待ちください!
■味噌肉吸い
・美味しさ:★★★★☆
・お手軽さ:★★★
・名古屋っぽさ:★★★★
・大阪芸人にハリセンでしばかれる度:★★★★★★★★★★
<材料>(2人分)
・牛肉(切り落とし) 200グラム程度
・ネギ(長ネギまたは青ネギ) 1〜2本
・水 700ミリリットル程度
・だしパック 1つ
・豆味噌 大さじ2
みりん 大さじ1
・卵 2コ
・ご飯 1合
・豆味噌(卵かけご飯用) 小さじ半分程度
<作り方>
1. 牛肉は食べやすい大きさに切る。ネギは斜め切りかざく切りにする。
2.水を張った鍋にだしパックを入れ、だしを取る(取り方は説明書きを参照。顆粒だしでもよい)
3.別に沸騰させたお湯に牛肉を入れ、全体に色が変わったら引き上げる
4.土鍋に出汁を張り、沸騰した状態で肉を入れる。
5.5分ほど弱火で煮立てたら、味噌を溶き入れてさらに5分ほど煮込む。
6.仕上げにネギを入れて、一煮立ちさせて味噌肉吸いの完成。
7. 卵かけご飯用の豆味噌を軽く炙り、焼き味噌にする。
8.茶碗にご飯をよそい、卵を落としてから焼き味噌を添えて卵かけご飯の完成。
【筆者プロフィール】
Swind(スインド)
作家兼名古屋めし専門料理研究家。名古屋と名古屋めしを題材とした小説、漫画原作、コラム、レシピ等の執筆活動を行っている。これまでに考案した名古屋めしのレシピは100本以上。最近ではyoutubeにも活動の幅を広げている。
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